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その男Glass-Jaw-Hopperグラス・ジョー・ホッパー

救命ボート

引越しで箱詰めしていると、あちこちからパンツが出てきた・・・・・・

勿論洗濯済みのパンツなのだが、何故こんなタンスの隅なんかに入っていたのかまったく記憶が無い・・・・・

俺は常にパンツ不足だった・・・・・何故か減るパンツ・・・・・・・

買い足しても買い足しても何故かパンツと靴下がどんどん消える・・・・・

自分で仕舞ったつもりだったのだが、その都度その都度妙な整理心が芽生えてハンガーに吊り下げたまんまではなく収納したのだろう・・・・・・

そんな収納した事をすぐ忘れてしまう俺はまるでホネを貰う度に庭のどこかに埋めて忘れてしまう犬並だ・・・・・・



しかし腹立たしい・・・・・・

俺がパンツ不足で困っていた時は知らん顔していて、こんな所に隠れていやがった・・・・・・・

パンツ不足で右往左往している俺をこんな所でサボって冷ややかな目で見ていたのだ・・・・・


そして今度箱詰めしている時になるとデカイ顔して出てくる・・・・・

その妙な真新しさが緊急時に働いていないのを証明している・・・・・

タイタニック沈没時偉そうな顔して最初に救命ボートに乗り込もうとする一等船室の客のようだ・・・・・・・
救命ボート_c0083518_18491945.jpg


しかし俺はそんな甘ちゃんじゃない!

当たり前みたいな顔してダンボールに乗り込もうとするパンツらに俺は叫んだ・・・・・

お前らは一番後だぁ!

下がれぇ!下がれぇ!


最初にダンボールに入れると信じて疑わなかった真新しいパンツらは意外な展開にたじろいでいた・・・・・・


俺は擦り切れそうな三等客室の功労者のパンツからダンボールに入れたのだった・・・・・

一人一人に労をねぎらいながら・・・・・・







でももう機能停止間近のあまりの功労者はこっそり廃棄用ダンボールに乗せた・・・・・


その事を責められたら返す言葉は無い・・・・・



by glass-jaw-hopper | 2008-04-13 19:03 |

ガラスの顎のリスクでジャンプし続けるバッタ
by glass-jaw-hopper

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