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その男Glass-Jaw-Hopperグラス・ジョー・ホッパー

天才でろくでなし

新幹線移動中に「真剣師小池重明の光と影」を読んだ。
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『真剣師として新宿を根城に活躍したため、「新宿の殺し屋」の異名を持つ。同時期に真剣師で最強と目されていた大阪の加賀敬治と、日本一の真剣師を決するために通天閣で勝負し、7勝7敗で互角に渡り合った。

1980年から2年連続でアマ名人のタイトルを獲得し、名実ともにアマチュア将棋指しのトップに立った。プロ将棋棋士を相手にも勝ち星を重ね、特例としてプロ編入の話も出るなど将棋界に旋風を巻き起こした。皮肉なことに、脚光を浴びたがために過去の寸借詐欺騒動などが表面化して、プロ編入の話は消え、アマチュア将棋界からも10年近く遠ざかることになる。当時は青年向け雑誌が劇画的な「無頼派」棋士として小池を取り上げるなどしているが、世間的な知名度は低かった。

晩年には、団鬼六を頼って再びアマチュア将棋の世界に戻ってくる。団はポルノ作家を引退して将棋雑誌「将棋ジャーナル」を発行していた。団の企画でアマチュアのタイトルホルダーを相手に将棋を指しては、その都度勝利して話題を呼んだ。その後長年の不摂生が祟って肝硬変となり入院。最期は病室のベッドで体に繋がれたチューブを自ら引きちぎって死亡したと言われている。』

ちょっと前に色んなテレビ番組が彼を取り上げたので知っている人も多いだろう。
あまりに壮絶な生き方とそのだらしなさ・・・・・

酒と女に溺れ、人妻と駆け落ちする事数回・・・・
勤め先の金を持ち逃げする事数回・・・・・・・
借金も踏み倒し世話する人の行為を平気で何度も裏切る・・・・・
駆け落ち先ではトラックの運転手をしたりパチンコ屋に住み込みをしたり鉄屑工場で働いたりしたがどれも長続きしない・・・
挙句の果てには逃げ出そうとする女と無理心中まがいの事件まで起こす。

正真正銘の「ろくでなし」だ。

さんまは番組で「なんで女はこう言うろくでなしの男に弱いんでしょう?」と言い。
別の番組では「何故男はこう言う男にどこか憧れるのでしょう?」と言った。

作家の団鬼六氏は「これほど人に嫌われ、これほど人に好かれた男はいない」と言っている。

そうなのだ、妖剣使いのように小池は将棋には強かった・・・・・
正規のプロ将棋師にも負けなかったのだ・・・・・


しかし小池のオンボロアパートには酒とタバコの吸殻が散乱しているだけで将棋盤一つ無かったと言う・・・・・・・・

ソフィア・ローレンの映画「ひまわり」が好きで何度見ても泣いたと言うし、その汚い部屋にはそぐわない高い額に入った逃げていった女と子供の写真が入っていたと言う・・・・・


何て暗い・・・・何て惨い人生・・・・・・・・

でも紛れも無く彼は「将棋の天才」だ・・・・・・
天才の生涯は何故か悲しい・・・・・
孤独と失意の中で死んだゴッホを髣髴させる。


俺は「天才」では無い・・・・・

紛れも無く「凡才」だ・・・・・



ならば「凡才」ならではの当たり前の「幸せ」を渇望していいはずだ・・・・・
そうに違いないのだ。

一杯一杯失敗してきた。

でもちょっとづつでもツギハギだらけでも構わない・・・・・

本当の「幸せ」を少しづつでいいから作って行きたいのだ。



by glass-jaw-hopper | 2007-01-08 20:27 |

ガラスの顎のリスクでジャンプし続けるバッタ
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