偽善仮面SHOEIMAN参上!
随分帰り道が寒くなった。
数年前の単身赴任時代は交通の便が悪いので今みたいに駅からだけじゃなくて単車で寒い中も会社まで通っていたっけ・・・・・
その単身赴任時会社支店からの帰り道寄ったショッピングセンター・・・・・・・
晩飯の材料を買い二階にあるビデオ屋で週末用の映画を何本か借りる・・・・
さて、帰ろうと駐輪場に降りてバイクを走らせようとした・・・・・・
買い物袋を下げた30代らしき奥さん・・・・・・
自分のスクーターが動かないらしく、セルでかけるのは既に諦めているのか何度もキックでかけようとしている・・・・・・
でもかからないエンジン・・・・・
ガチャガチャキックしている・・・・・・
ややくたびれた原付、濃紺のHONDA Dio・・・・・・バッテリーでも弱っているのだろう・・・・・
ちょっと場所をちょっとづつ移動しながら何度もかけようとするがかからない・・・・・
まったく不思議な習慣だが、何故か動かなくなったバイクをかけようとする人は少し移動して再チェンジし、またちょっと移動して再チャレンジする・・・・・・
動かないバイクを引きずったまま何10メートルも浜に打ち上げられた海亀のように移動しているのだ・・・・・
これを一般的にエンプティ・ダンプティ・ライダーの法則と言う・・・・・・主婦の場合はマザーグズとも言う・・・・・・
外はもう暗い・・・・・焦っている様子・・・・・・
見ているとキックのかけ方がなっていない・・・・・・
ただガンガン蝶野のキックみたいに踏み降ろすだけ・・・・・・・
それじゃかかるものもかからない・・・・・・コツがあるのだ・・・キック始動には・・・・・・
放っておこう・・・・・俺には関係ない事だ・・・・・・
「あっしにはかかわりのねぇこって・・・・・・」と言って放っておこう・・・・・・
最近の俺はやたら親切が仇になるケースが多い・・・誤解されやすいのアタイ・・・ウフ・・・・・・・
良かれと思ってやった事がまずい事になる事がやけに多いのだ・・・・・
そう・・・・・見なかった事にしよう・・・そうしよう・・・・・知った事かい・・・・・・
それが一番だ・・・・・・・
早く社宅に帰って飯作って食って、食後に買い置きしておいた赤福と白い恋人食いながらタイガージョーから送られてきたザ・シンプソンでも見よう・・・・・・・
俺の知った事かい・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ママはまだ帰ってこないのお兄ちゃん・・・・・遅いねママ・・・・・」
「理奈・・・・もうすぐ帰ってくるよ・・・・・」
「お腹すいたねお兄ちゃん・・・・・」
「うん・・・・・でも我慢しな理奈・・・・・・もうすぐママ帰ってくるから・・・・・」
「うん、お兄ちゃん理奈我慢する」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ダァ~!幼い兄弟の姿がぁ~!!!目頭を熱くするぅ~!!
ダァ~!出来なひぃ~!!!俺には放っておけなひぃ~!
理奈に智明待ってろよぉ~おっちゃんが母ちゃん助けちゃるけん~!
跨っていた自分のバイクを降りてズンズンその奥さんに近付いていく俺・・・・・
近付いて来る俺に「ひっ・・・」と警戒の目の奥さん・・・・・
あたりは暗い・・・・・そしてブラックスモークシールドのフルフェイスヘルメットを被ったまんまの俺・・・・・・・
完全に怖がっている・・・・・・
「キーかして」
「へ?」
どうも意図が最初伝わらない・・・・・
「ガソリンは?」
「入れたばかりです・・・・・」
やっと意図が伝わったみたいだ・・・・・
手渡れたキーでシート下のバッテリーを100円ライター付いているスモールライトで見てみる・・・・・
配線は問題ない・・・・・・これだったらかかるはずだ・・・・・
俺はおもむろにキックを踏み降ろす・・・・・・
パパパパパパパッ!
一発でかかった・・・・・・・不完全燃焼の2スト特有の青白い排気ガスがあたりに充満する・・・・・・
強張っていた奥さんの表情が和らぐ・・・・・
「キックする時は弧を描くように踏み降ろして」
「はい」
何度も頭を下げながら走り去る奥さん・・・・・・
理奈に智明待ってろよぉ~母ちゃんすぐ帰るからなぁ~・・・・・・
偽善仮面SHOEIMAN参上!だ・・・・・・・
そして俺もショッピングセンターから家路についた・・・・・・・
まったく自分のバイクのメンテぐらいしっかりしてほしいもんだよ・・・・・
たまたま偽善事業活動が好きな偽善仮面SHOEIMANが通りかかったから良かったもんの、もしエンジンかからなかったら理奈に智明の幼い兄弟はどうするんだ・・・・・
まったく・・・・・・・
しばらく走っていたら自分のバイクがブルルル・・・プスンと止まった・・・・・
ダァ~!ガス欠だぁ~!
ヒィーヒィー言いながら重いバイクを押してやっとガソリンスタンドに辿り着いた偽善仮面SHOEIMANはこの寒い時期にかかわらず革ジャンの隙間から湯気が出る程汗だくだった・・・・・・・・・
また別の日会社支店帰りのホカ弁屋・・・・・
俺の前には若いママが幼子を抱っこして弁当を受け取っていた・・・・・
抱っこされている幼子は母親の肩越しに先程から後ろに立っている俺に先程からガンを付けている・・・・・
興味深げに物応じしない目で俺を見ている・・・・・・
母親は片手にベビーカーと受け取った弁当、そしてもう片手に幼子を抱え自動ドアを出て行った・・・・・・
俺はその後天丼弁当を受け取り駐車場のバイクに向かった・・・・・
さて後は家に帰って天丼弁当を食うだけだ・・・・・・
やや遠い離れたスペースで若草色のマーチの後部座席にベビーカーをたたみ押し込んでいるさっきの母親がいた・・・・・
助手席のベビーシートに幼子を座らせベビーカーを収納して帰るのだろう・・・・・・
何か足元に白っぽい物が地面に落ちているのを見た・・・・・
母親は気付かずに運転席に座り駐車場から通りに出て、やや混んで並んで信号待ちしている列を譲ってもらい、抜けて出て空いている反対車線を車を走らせる・・・・・
何か落としたんだろうか???・・・・・
落としたとしても・・・・・
ティッシュか紙おむつだろう・・・・・・・・
別にその母子の落し物じゃないかも知れないし・・・・・・
俺はあまり気にせずヘルメットを被り天丼の袋を手首に掛けてバイクを走らせる・・・・・
その落ちている物体の脇を通る時その物体がティッシュか紙おむつにしては質感があるのに気付いた・・・・・・
何だ???
毛糸の帽子だった・・・・・・・
幼子用の小さい小さい帽子・・・・・・
多分さっきの幼子の帽子だろう・・・・・
ベビーカーを畳む時ってシート下の物入れネットからいろんな物が落ちるのだ・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
放っておこう・・・・・俺には関係ない事だ・・・・・・
「あっしにはかかわりのねぇこって・・・・・・」と言って放っておこう・・・・・・
最近の俺はやたら親切が仇になるケースが多い・・・誤解されやすいのアタイ・・・ウフ・・・・・・・
良かれと思ってやった事がまずい事になる事がやけに多いのだ・・・・・
そう・・・・・見なかった事にしよう・・・そうしよう・・・・・知った事かい・・・・・・
それが一番だ・・・・・・・
早く社宅に帰ってアツアツ天丼食って、食後に買い置きしておいた赤福と白い恋人食いながらタイガージョーから送られてきたザ・シンプソンの続きでも見よう・・・・・・・
俺の知った事かい・・・・・・
今晩は久しぶりに天丼なのだ・・・・・シーチキンと納豆じゃないのだ・・・・・・
暖かいほかほかアツアツの天丼弁当を食うのだ・・・・・・・朝から楽しみにしていたじゃないか・・・・・・・・しかも予定変更で大盛りにしたし・・・・・・・
きっとホカ弁屋の誰か拾ってくれるさ・・・・・・
閉店後だろうけど・・・・・・多分駐車場の車にグチャグチャに踏まれちゃっているけど・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ママ~たっくんのおぼうしは~?」
「ごめんねたっくん~ママ落としちゃったみたい、また買ってあげるからね」
「やだいやだい~あのおぼうしがいいんだい~」
「ごめんね~たっくん・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ダァ~!出来なひぃ~!!!俺には放っておけなひぃ~!
ダァ~!たっくん待ってろよぉ~!
ダァ~!何か知らんけど最近試練のようにこんな事が続くぅ~!
俺は結局その帽子を拾いポケットにねじ込み自分の帰る反対方向に走り去った若草色のマーチを追った・・・・・・
ヌァ~ッ!!!天丼弁当の袋が左手首に絡まってクラッチ操作しにくいったらありゃしないぃ~!
何故だぁ~!何故???最近こんな事ばかり続くのだぁ~!
郊外でも通勤時間の道はやや混んでいる・・・・・・
天丼弁当の袋が暴れ絡まる~すり抜けがしにくいったらありゃしないぃ~!
二三台前にやっとその若草色のマーチを確認するが、近付こうとすると信号が青になり走り出してしまう~
片側一車線の道で抜かして近づけられないし、脇は狭い・・・そして歩道の段差のコンクリートがヤスリのように迫る・・・・・・・
クラッチはぶら下げた天丼で上手く操れないにくいったらありゃしないぃ~!・・・・・
やっと信号待ちのマーチに追いつき運転手側の窓に横付け・・・・・
窓をノックする・・・・・・・
不審そうな母親・・・・・・・何か俺がクレームでも付けてきたと思っている様子だ・・・・・
きっと前後の車も俺が車にイチャモンを付けているように見えたに違いない・・・・・・
欧米の映画では強盗シーンだこりゃ・・・・・・・
目を合わさず窓を閉め切ったまま頭をペコペコしてお辞儀を繰る返す母親・・・・・・
よくわからないけど怖いし謝っておいた方がいいと踏んだのだろう・・・・・・
通じないコミュニケーション・・・・・・NOVA並だ・・・・・
そうだ、あの帽子を見せよう・・・・・としてもグローブが分厚くてポケットに入れた帽子を取り出しにくいったらありゃしないぃぃぃぃ~もどかしいぃぃぃ~また天丼弁当が手首に絡まるぅぅぅ~!!!
早くしないとまた走り出してしまうぅ~~~!!!
母親は信号が青になって早く走り出したい、この場を去りたいモードだ・・・・・・
やっと出て来た帽子・・・・・・もう信号は青だ・・・・・・・
前の車が走り出そうとしている・・・後の車も・・・・・・
えぇ~いぃぃ~ままよぉ~!
俺はやや運転席横から前に出て正に動き出そうとしている運転席の目の前のワイパーにその帽子を挟んだ・・・・・
そしてUターン・・・・・・
間一髪だった・・・・・・そしてやっと家の方向に向かって走り出せたのだった・・・・・・
天丼弁当は・・・蓋からはみ出て、中身は衣混ぜジャンバラヤになっていた・・・・・・
数年前の単身赴任時代は交通の便が悪いので今みたいに駅からだけじゃなくて単車で寒い中も会社まで通っていたっけ・・・・・
その単身赴任時会社支店からの帰り道寄ったショッピングセンター・・・・・・・
晩飯の材料を買い二階にあるビデオ屋で週末用の映画を何本か借りる・・・・
さて、帰ろうと駐輪場に降りてバイクを走らせようとした・・・・・・
買い物袋を下げた30代らしき奥さん・・・・・・
自分のスクーターが動かないらしく、セルでかけるのは既に諦めているのか何度もキックでかけようとしている・・・・・・
でもかからないエンジン・・・・・
ガチャガチャキックしている・・・・・・
ややくたびれた原付、濃紺のHONDA Dio・・・・・・バッテリーでも弱っているのだろう・・・・・
ちょっと場所をちょっとづつ移動しながら何度もかけようとするがかからない・・・・・
まったく不思議な習慣だが、何故か動かなくなったバイクをかけようとする人は少し移動して再チェンジし、またちょっと移動して再チャレンジする・・・・・・
動かないバイクを引きずったまま何10メートルも浜に打ち上げられた海亀のように移動しているのだ・・・・・
これを一般的にエンプティ・ダンプティ・ライダーの法則と言う・・・・・・主婦の場合はマザーグズとも言う・・・・・・
外はもう暗い・・・・・焦っている様子・・・・・・
見ているとキックのかけ方がなっていない・・・・・・
ただガンガン蝶野のキックみたいに踏み降ろすだけ・・・・・・・
それじゃかかるものもかからない・・・・・・コツがあるのだ・・・キック始動には・・・・・・
放っておこう・・・・・俺には関係ない事だ・・・・・・
「あっしにはかかわりのねぇこって・・・・・・」と言って放っておこう・・・・・・
最近の俺はやたら親切が仇になるケースが多い・・・誤解されやすいのアタイ・・・ウフ・・・・・・・
良かれと思ってやった事がまずい事になる事がやけに多いのだ・・・・・
そう・・・・・見なかった事にしよう・・・そうしよう・・・・・知った事かい・・・・・・
それが一番だ・・・・・・・
早く社宅に帰って飯作って食って、食後に買い置きしておいた赤福と白い恋人食いながらタイガージョーから送られてきたザ・シンプソンでも見よう・・・・・・・
俺の知った事かい・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ママはまだ帰ってこないのお兄ちゃん・・・・・遅いねママ・・・・・」
「理奈・・・・もうすぐ帰ってくるよ・・・・・」
「お腹すいたねお兄ちゃん・・・・・」
「うん・・・・・でも我慢しな理奈・・・・・・もうすぐママ帰ってくるから・・・・・」
「うん、お兄ちゃん理奈我慢する」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ダァ~!幼い兄弟の姿がぁ~!!!目頭を熱くするぅ~!!
ダァ~!出来なひぃ~!!!俺には放っておけなひぃ~!
理奈に智明待ってろよぉ~おっちゃんが母ちゃん助けちゃるけん~!
跨っていた自分のバイクを降りてズンズンその奥さんに近付いていく俺・・・・・
近付いて来る俺に「ひっ・・・」と警戒の目の奥さん・・・・・
あたりは暗い・・・・・そしてブラックスモークシールドのフルフェイスヘルメットを被ったまんまの俺・・・・・・・
完全に怖がっている・・・・・・
「キーかして」
「へ?」
どうも意図が最初伝わらない・・・・・
「ガソリンは?」
「入れたばかりです・・・・・」
やっと意図が伝わったみたいだ・・・・・
手渡れたキーでシート下のバッテリーを100円ライター付いているスモールライトで見てみる・・・・・
配線は問題ない・・・・・・これだったらかかるはずだ・・・・・
俺はおもむろにキックを踏み降ろす・・・・・・
パパパパパパパッ!
一発でかかった・・・・・・・不完全燃焼の2スト特有の青白い排気ガスがあたりに充満する・・・・・・
強張っていた奥さんの表情が和らぐ・・・・・
「キックする時は弧を描くように踏み降ろして」
「はい」
何度も頭を下げながら走り去る奥さん・・・・・・
理奈に智明待ってろよぉ~母ちゃんすぐ帰るからなぁ~・・・・・・
偽善仮面SHOEIMAN参上!だ・・・・・・・
そして俺もショッピングセンターから家路についた・・・・・・・
まったく自分のバイクのメンテぐらいしっかりしてほしいもんだよ・・・・・
たまたま偽善事業活動が好きな偽善仮面SHOEIMANが通りかかったから良かったもんの、もしエンジンかからなかったら理奈に智明の幼い兄弟はどうするんだ・・・・・
まったく・・・・・・・
しばらく走っていたら自分のバイクがブルルル・・・プスンと止まった・・・・・
ダァ~!ガス欠だぁ~!
ヒィーヒィー言いながら重いバイクを押してやっとガソリンスタンドに辿り着いた偽善仮面SHOEIMANはこの寒い時期にかかわらず革ジャンの隙間から湯気が出る程汗だくだった・・・・・・・・・
また別の日会社支店帰りのホカ弁屋・・・・・
俺の前には若いママが幼子を抱っこして弁当を受け取っていた・・・・・
抱っこされている幼子は母親の肩越しに先程から後ろに立っている俺に先程からガンを付けている・・・・・
興味深げに物応じしない目で俺を見ている・・・・・・
母親は片手にベビーカーと受け取った弁当、そしてもう片手に幼子を抱え自動ドアを出て行った・・・・・・
俺はその後天丼弁当を受け取り駐車場のバイクに向かった・・・・・
さて後は家に帰って天丼弁当を食うだけだ・・・・・・
やや遠い離れたスペースで若草色のマーチの後部座席にベビーカーをたたみ押し込んでいるさっきの母親がいた・・・・・
助手席のベビーシートに幼子を座らせベビーカーを収納して帰るのだろう・・・・・・
何か足元に白っぽい物が地面に落ちているのを見た・・・・・
母親は気付かずに運転席に座り駐車場から通りに出て、やや混んで並んで信号待ちしている列を譲ってもらい、抜けて出て空いている反対車線を車を走らせる・・・・・
何か落としたんだろうか???・・・・・
落としたとしても・・・・・
ティッシュか紙おむつだろう・・・・・・・・
別にその母子の落し物じゃないかも知れないし・・・・・・
俺はあまり気にせずヘルメットを被り天丼の袋を手首に掛けてバイクを走らせる・・・・・
その落ちている物体の脇を通る時その物体がティッシュか紙おむつにしては質感があるのに気付いた・・・・・・
何だ???
毛糸の帽子だった・・・・・・・
幼子用の小さい小さい帽子・・・・・・
多分さっきの幼子の帽子だろう・・・・・
ベビーカーを畳む時ってシート下の物入れネットからいろんな物が落ちるのだ・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
放っておこう・・・・・俺には関係ない事だ・・・・・・
「あっしにはかかわりのねぇこって・・・・・・」と言って放っておこう・・・・・・
最近の俺はやたら親切が仇になるケースが多い・・・誤解されやすいのアタイ・・・ウフ・・・・・・・
良かれと思ってやった事がまずい事になる事がやけに多いのだ・・・・・
そう・・・・・見なかった事にしよう・・・そうしよう・・・・・知った事かい・・・・・・
それが一番だ・・・・・・・
早く社宅に帰ってアツアツ天丼食って、食後に買い置きしておいた赤福と白い恋人食いながらタイガージョーから送られてきたザ・シンプソンの続きでも見よう・・・・・・・
俺の知った事かい・・・・・・
今晩は久しぶりに天丼なのだ・・・・・シーチキンと納豆じゃないのだ・・・・・・
暖かいほかほかアツアツの天丼弁当を食うのだ・・・・・・・朝から楽しみにしていたじゃないか・・・・・・・・しかも予定変更で大盛りにしたし・・・・・・・
きっとホカ弁屋の誰か拾ってくれるさ・・・・・・
閉店後だろうけど・・・・・・多分駐車場の車にグチャグチャに踏まれちゃっているけど・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ママ~たっくんのおぼうしは~?」
「ごめんねたっくん~ママ落としちゃったみたい、また買ってあげるからね」
「やだいやだい~あのおぼうしがいいんだい~」
「ごめんね~たっくん・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ダァ~!出来なひぃ~!!!俺には放っておけなひぃ~!
ダァ~!たっくん待ってろよぉ~!
ダァ~!何か知らんけど最近試練のようにこんな事が続くぅ~!
俺は結局その帽子を拾いポケットにねじ込み自分の帰る反対方向に走り去った若草色のマーチを追った・・・・・・
ヌァ~ッ!!!天丼弁当の袋が左手首に絡まってクラッチ操作しにくいったらありゃしないぃ~!
何故だぁ~!何故???最近こんな事ばかり続くのだぁ~!
郊外でも通勤時間の道はやや混んでいる・・・・・・
天丼弁当の袋が暴れ絡まる~すり抜けがしにくいったらありゃしないぃ~!
二三台前にやっとその若草色のマーチを確認するが、近付こうとすると信号が青になり走り出してしまう~
片側一車線の道で抜かして近づけられないし、脇は狭い・・・そして歩道の段差のコンクリートがヤスリのように迫る・・・・・・・
クラッチはぶら下げた天丼で上手く操れないにくいったらありゃしないぃ~!・・・・・
やっと信号待ちのマーチに追いつき運転手側の窓に横付け・・・・・
窓をノックする・・・・・・・
不審そうな母親・・・・・・・何か俺がクレームでも付けてきたと思っている様子だ・・・・・
きっと前後の車も俺が車にイチャモンを付けているように見えたに違いない・・・・・・
欧米の映画では強盗シーンだこりゃ・・・・・・・
目を合わさず窓を閉め切ったまま頭をペコペコしてお辞儀を繰る返す母親・・・・・・
よくわからないけど怖いし謝っておいた方がいいと踏んだのだろう・・・・・・
通じないコミュニケーション・・・・・・NOVA並だ・・・・・
そうだ、あの帽子を見せよう・・・・・としてもグローブが分厚くてポケットに入れた帽子を取り出しにくいったらありゃしないぃぃぃぃ~もどかしいぃぃぃ~また天丼弁当が手首に絡まるぅぅぅ~!!!
早くしないとまた走り出してしまうぅ~~~!!!
母親は信号が青になって早く走り出したい、この場を去りたいモードだ・・・・・・
やっと出て来た帽子・・・・・・もう信号は青だ・・・・・・・
前の車が走り出そうとしている・・・後の車も・・・・・・
えぇ~いぃぃ~ままよぉ~!
俺はやや運転席横から前に出て正に動き出そうとしている運転席の目の前のワイパーにその帽子を挟んだ・・・・・
そしてUターン・・・・・・
間一髪だった・・・・・・そしてやっと家の方向に向かって走り出せたのだった・・・・・・
天丼弁当は・・・蓋からはみ出て、中身は衣混ぜジャンバラヤになっていた・・・・・・
by glass-jaw-hopper
| 2013-10-24 00:42
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