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その男Glass-Jaw-Hopperグラス・ジョー・ホッパー

勝の殿様

福山雅治の「龍馬伝」の放送終了から随分時間が経った。

でも福山龍馬の残り火はまだくすぶっているようで坂本龍馬人気は衰えない。
勝の殿様_c0083518_2202543.jpg

皆龍馬に憧れを持っていて痛いヤツなんかは酒が入ると土佐弁なんかが出たりして龍馬気分になっている。
今じゃそんなにいないけど・・・昔はよくいたのだ本当に・・・・
「ワシは龍馬の生まれ変わりじゃきぃ〜」なんてね・・・・・

しかし本気で龍馬みたいになりたいならばその師匠の勝海舟こと勝麟太郎に憧れるべきである。
それでやっと龍馬と対等なのだ。
龍馬に憧れてもいつまでも龍馬の下に過ぎない・・・・・

松田優作になりたいならば優作が憧れた兄貴分原田芳雄に憧れてはじめて優作になれるのだ。


しかしこの勝海舟・・・・・すこぶる好感触に書かれ描かれている。
それは歴史小説の大家司馬遼太郎氏がかなり好感度高く評価して書いているからである。



勝の殿様_c0083518_19535340.jpg


安政の改革で才能を見出され、長崎海軍伝習所に入所。
万延元年(1860年)には咸臨丸で渡米し、帰国後に軍艦奉行並となり神戸海軍操練所を開設。
戊辰戦争時には、幕府軍の軍事総裁となり、徹底抗戦を主張する小栗忠順に対し、早期停戦と江戸城無血開城を主張し実現。
明治維新後は、参議、海軍卿、枢密顧問官を歴任し、伯爵に叙せられた。

幕末の英雄坂本龍馬が心酔した師匠と言う事もありかなり人気がある人物であるが実のところかなり胡散臭い部分が多い。
志士らに合理性を説く割りに理科系の教養に暗く、大言壮語な部分も多々あった。
つまり焚き付け上手なのである。

斬りに来た龍馬が弟子入りするシーンは歴史的名場面として数々の映画ドラマ漫画で出て来るけど実の所はどうだったんだろう?
千葉道場の跡取り千葉重太郎と塾頭龍馬の手練の剣豪二人が自分を斬りに来たのだ。
そりゃ内心はビビったに違いない。
そんな事をおくびにも出さず軽口聞いて対応した様は中々のハードボイルドスピリッツだったと評価出来る。

結局維新後龍馬人気で龍馬がクローズアップされその業績が露呈し評価されるまで美味しい所は全部自分で持って行っちゃっていたのだ。

幕末期においては悪役小栗忠順で善玉が勝海舟の図式が出来上がっている。
倒幕側薩摩長州土佐に物わかりが良い顔して接していた勝は維新後没落した小栗忠順と違いちゃっかり爵位まで貰っている。


実際咸臨丸で一緒に洋行した福澤諭吉は軍艦奉行にも関わらずまったく船酔いで役に立たない勝を軽視した。


そうなのだ上司にいるタイプ・・・実に人当たり良く威勢のいい事言って部下達のモチベーションをあげるの長けてはいるけどいつの間にか美味しい所はちゃっかり自分で持っていちゃっている上司・・・・・

そんな感じがするのだ。

さすが司馬遼太郎氏もその辺りは気付いていて「いたずらっ子の天使のような人物」とそれでも好印象の範疇で評価していた。



とにかく龍馬になりたいのならばこんな師匠に従事せねばならないようだ。

勝の殿様_c0083518_212881.jpg




by glass-jaw-hopper | 2013-07-04 00:42 | その時歴史は動いたような気が

ガラスの顎のリスクでジャンプし続けるバッタ
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