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その男Glass-Jaw-Hopperグラス・ジョー・ホッパー

マラソン大会と登山

子供らの小学校、中学校、高校揃っての冬期にマラソン大会がある。



そう言えば俺の時代も小学校、中学校、高校揃っての冬期にマラソン大会があったっけ・・・・・


何か日本国憲法に小学校、中学校、高校ではマラソンをやらせよとでも記してあるのだろうか?

一部酔狂なヤツを除いて皆がこのマラソン大会にはナーバスになる・・・ちびまる子ちゃんも嫌がっていたっけ・・・・・


何故強いるのだろうか「マラソン」を・・・・・




そんな俺だけど一つだけマラソン大会での良い思い出はある。



一二三(ひふみ)先生は俺が中二の時新任でやって来た英語の先生だ。

教育大出たての女の先生だった。


180ぐらいある女子プロレスラー並みの体付きの大きな女性であったが、肥満って感じではなくて顔はスリムの固太りで、ショートカットで日に焼けたスポーツウーマンでもあった。


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実際赴任してすぐにバスケ部顧問になった。

クラスの女子らは百恵ちゃんに似ているなんて騒ぐぐらいのエキゾチックな顔立ちの美人であった。

初回授業から新任教師らしくなく、猫を被る事もなくハスキーボイスで男子生徒を呼び捨てにする姉御肌をすぐに出して生徒らを戸惑わせた。

最初から中学生に舐められるのを恐れてか、ふてぶてしく強気の態度は賛否両論で男子らからは不評であったが女子らからは頼もしい姉御で人気があったと思う。

男子らから見れば新人女教師の癖に可愛げが無いって事だろう・・・

男子らは陰では一二三はよう〜と呼び捨てにして、その体型なんかをネタにしていた。


何故かこの姉御肌の一二三先生と俺は妙に馬が合った。

先生が作った英語の試験問題の公式公文を使って作る自由作文では全校で俺だけ例題を自分に当てはめて作った。

他の生徒皆が教科書通りの例題を書いたのに俺だけ「ホッパー(俺の名前)はハンサムでありながらいい男で~・・・」なんて先生の意図を汲んで提出したのだ。

結果答案を返す時、どのクラスでも一人だけこう言う解答だったと嬉しそうに俺の名前が先生の口から出たらしい。

その他英語の授業でグループ分けしてやった教科書の例題を台本に見立てて寸劇をするって授業も、英語のセリフ文を暗記するのが面倒臭かった俺は母親役をいい事に教科書に雑誌ミセスのカバーを施して小道具とし、それを母親が雑誌読みながら話している風にして芝居をした。

つまり堂々と合法的にカンニングしたのだ。

普通怒られそうだが、機転の利いた俺のズルに先生はゲラゲラ笑い合格点をくれたのだ。

つまり俺は一二三先生を理解し、その都度彼女の出す課題の自由範囲を把握し目一杯機転の利いた回答を出せた唯一の生徒だったのだ。

まるで足利将軍の出す難題をとんちでクリアした一休さんか、お釈迦様の懐で暴れさせてもらっている孫悟空であった。


そんな強気の先生だが、アメリカの学校は先生が各クラスに出向くんではなくて、生徒らが先生の教室に来るんだと説明しながら、その割にあちらの女の先生はスタイルがいいんだよねぇ~なんて珍しく自分のコンプレックスを自嘲的に口にした。

弱みを見せない強気の一二三先生にしては珍しい事だ。

皆は笑ったが、俺はそんなに気にしなくてもいいのになぁ~なんて思っていた。
でも中坊の俺には言えなかった。

相変わらず一二三先生はジャージに身を包み、弾力あるユサユサとはち切れそうなボディを鞠のように上下させながらバスケ部のグランドを走っていた。

全盛期のブル中野のボディに百恵ちゃんの顔が乗っている感じ・・・(ブル中野も美形だが)
ミスマッチのようなそうでないような・・・・
キャラ的にはやはり美形悪役レスラー的とでも言おうか・・・・

もしそのまま体重を絞ったら、ボンドガール並のとんでもない日本人離れした美女になったろう・・・・

新任らしからぬ強気のハスキーボイスで男子を呼び捨てにして叱る様と時々見せる憂いを秘めたアンニュイな妙に目元が涼しげで綺麗な表情はギャップがあった。
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その頃になると何だか一二三先生を憎からずと感じていた俺は仲間内で先生の悪口嘲笑が出ると妙な苛立ちを感じていたのだ。

男が好む媚びるような可愛いげは無いが俺には充分カッコイイ先生だったのだ。
時々垣間見えるコンプレックスを感じている彼女こそ可愛く感じたりした。

俺が主将を務める部活の試合も担任でも顧問でもないのに応援に来てくれたりしたので、きっと一二三先生も俺を憎からずと思ってくれていたと思う。

クラスの女子らも一二三先生とホッパー君はどこか似ていてツーカーだねえ〜なんて言っていたっけ・・・・

姉と弟・・・サザエとカツオ・・・・

試合会場では「ホッパー!負けたら承知しないよっ!」と例のドスの利いた応援で相手校をビビらせしっかり援護射撃もしてくれたよ。


ある冬の日・・・

学校行事のマラソン大会の練習で一二三先生はタイムを計る時計が無くて困っていた。
数に限りがあった学校のストップウォッチはベテラン先生らが使っちゃって、さすがに新人先生の一二三先生には回ってこなかったらしい・・・

かと言って一二三先生の腕時計は壊れていたらしく校外のコースを回って帰って来る生徒らの大体のタイムが計れない。

迎えるグランドのゴール位置は微妙に校舎備え付けの大きな時計も確認しづらいポイントだ。


ちょっと困っている一二三先生に俺は「先生これ使いなよ」と自分の腕時計を差し出した。

「ありがと」と先生は俺の腕時計を使って計測していた。
本番ではないので大体のタイムが計れれば良いのだ。
やたら正確な100分の1秒まで計れるCASIO製のデジタル時計が発売され皆の腕に巻かれるのは、その1年後だった。

他の生徒とかったるりぃ〜かったりぃ〜とコースを一周してグランドに帰ってきた俺の目にとまったのは、俺の時計をしっかり腕に付けた先生だった。

何か妙な感動があった・・・てっきり手に持ってタイム計っているかと思っていたのだが、腕にはめて先生はバインダーにタイムを書き込んでいたのだ。

「ありがと、助かったわ」と返された俺の腕時計は金属製のベルトにしっかり先生の体温が残り寒い日にも関わらず暖かかった。


俺はそんな時計を自分にはめて何故かちょっとドギマギしてしまったのだった・・・・・




30年振りに復活した、その時の時計にはその時の一二三先生の温もりが残っているような気がした。



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マラソンと登山・・・・・どちらも苦行を強いられる行いである。


ネットでウロウロあちこちお邪魔していると実に山登り登山の愛好者が多いのに驚く。

人間ってそんなに山登りする生き物だったのか・・・・・
たまたまホームページやブログ書く人の中でパーセンテージが多いだけなのか?

そう言えば俺の周りにも登山が好きな人々が存在していた。

俺・・・まったく登山の魅力がわからん男・・・・・

わけがわからんのだ登山・・・

何でそんな遠くて高いところに登るの?


困った事に何故か登山する人ってその素晴らしさを信じ切っていてやたら誘ってくるのだ。

そう、暗黒大陸に分け入っていく宣教師みたいな妙な正義感と義務感にかられているような熱心さなのだ。


何度半分騙されて登った事か・・・・・俺的には「下山」だけでいいのに・・・・・

「登山部」でなんくて「下山部」だったら単位のために入部してもいいよ・・・


そう言えばオトンやオカンの昔の若い頃の写真ってやたら登山しているシーンが多い。
その世代の叔父さん叔母さんらもやたら登山して記念写真撮っているのだ。

オトンらはサングラスなんかしちゃってわけのわからんチロリアンハットなんかを目深に被ってポーズを決めているのだ。

聞くと大学時代はワンダーフォーゲル部だったなんて言う・・・
何じゃワンダーフォーゲルって?ワンダーシビックか?

社会人になってもそんな写真が多い・・・
原作サザエさんでもマスオとサザエは時にノリスケも交えてやたらピッケルなんか片手に登山しているシーンが多い。


この世代って山登りが一種のステータスだったのだろうか?


とにかくまったくわけがわからん意味不明な登山・・・・・・・

そこに山があるからだぁ・・・・・?・・・わけがわからん・・・・・

拉致され半分騙されて連れて行かれ登り出す登山・・・

最初から俺は何で降りるのに登るの?
面倒臭いぃ〜
しか感じられないのだ。
登る時からもう降りる事しか頭にない・・・


山頂に着いて、どうだぁ〜見てごらんこの雄大な景色〜凄いでしょ〜来て良かったでしょ〜なんて目を輝かしながら矢継ぎ早に言われる頃にはバテていて早く降りたいってのが本音なのだ。


絶景の風光明媚な景色見るとそりゃ心洗われるような気もするけどね・・・・・


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でもね・・・そこまで行く労力の方が俺にはキツイのだ。

この際全部の山にエスカレーター設置してもらいたい・・・・・それなら行く。

勿論山の麓のすぐ手前まで車で行けてね・・・
エスカレーターの要所要所にはジュースの自販機もほしいね・・・・・

ずっとエスカレーター乗っているのも退屈だから乗りながらモニターで映画なんか見られるのね・・・・・

立ちっぱなしも疲れるからさぁ〜マッサージ店なんかも途中であるいいよね〜

雪山なんて寒そうだからエアコン装備されていて薄着で行けちゃうのね・・・・・
途中の温泉で湯冷めして風邪ひいたら大変だもんなぁ〜・・・・

こんな登山なら行こうかなぁ〜・・・・・



そしたら山頂までエレベーターの方がいいかぁ・・・・・


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子供らの小学校、中学校、高校揃ってのマラソン大会・・・・・


子供らには「テキトーに頑張れ」と言ってある。


マラソンでの応援ってそれぐらいしかないよねぇ〜



by glass-jaw-hopper | 2013-01-25 23:06 |

ガラスの顎のリスクでジャンプし続けるバッタ
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