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その男Glass-Jaw-Hopperグラス・ジョー・ホッパー

賢い不沈艦

古今東西ナンバー1の悪役ヒールレスラーは誰だろう?


大抵の人は往年のヒールレスラーインドの狂虎タイガー・ジェット・シンを挙げるだろう。

ターバンを巻きサーベルを咥え会場を闊歩し観客さえも襲撃する悪役として素晴らしいパフォーマーだ。

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しかしシンの試合はそのキャラクターのインパクトに比べ実は地味である。

凶器攻撃が主のシンはリングの上や場外で相手を押さえ込んで痛め付けている場面が多く、よく見えないのだ。

コソコソ隅でレフリーから見えないように凶器攻撃する時間は場が止まってしまうのだ。

本人もわかっているようで大事な場面ではブレーンバスターなどの派手で大掛かりな正当技を掛けて見せ場は作っているようだった。
伝説となった腕折り事件の試合も今見ると猪木の媒体として徹しているかの様に見えて地味である。


その辺りは同じ悪役のアブドーラ・ザ・ブッチャーの方がその丸っこい体からアクションを捻り出す事でインパクトに長けていた。

つまりタイガー・ジェット・シンは伊勢丹前襲撃事件も含め入場までの暴れ振りだけが突出したレスラーであった。


リングの下では派手なだけ・・・・・

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そんなシンの試合を見て完全にシンを追い落とし悪役のエースの座に就いたのが後輩レスラーの不沈艦スタン・ハンセンである。



そう彼は自分の大きな肉体自身を凶器にしてリングの上で皆に見えるようなインパクトのある派手で絵的に映える誰が見てもわかりやすい技を掛けたのである。

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言わばシンの試合は結婚式の二次会で数人前に出して寿司のワサビ当てゲームみたいなもので、最初こそワァ〜なんてやっているがすぐに皆の関心は違う方向に向いてしまい、何だか隅っこコチョコチョやっているぞレベルにされてしまう。
凄い事になっているみたいだけどよく見えないからいいやもう〜って感じだ。
1人ワサビ寿司が当たったヤツは人知れずのたうち回っているだけだ。


スタン・ハンセンは最後まで皆を引っ張るビンゴゲームを展開したのだ。

シンが空気止める進行する所をハンセンが最初から最後まで激流並みに流した。
「静」から「動」へ・・・

「固唾を呑む空気」から「どよめきの空気」へ・・・・・

小さな凶器から大きな凶器へ・・・・・

ジワッからドカン!の痛さへ・・・・


シンはアナウンサーが居て解説してわかる試合・・・ハンセンは絵的な動画・・・・
ラジオからテレビになったようなものだ。


ハンセンは先輩悪役レスラーのシンをプロと認め敬意は払っていたがシンでは最後まで会場が持たないと見抜きシンのパフォーマンスの良いとこを一部を盗んで会場入りの時乱入するように暴れながら入るとかを真似して成功した。

計算高い猪木もシンよりハンセンの方が会場が盛り上がると即見抜きコイツは使えると好敵手悪役のエースの座をすぐにハンセンに差し替えたのである。

その後シンはどんどんハンセンに見せ場を奪われメインイベントから姿を消して行った。

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アメリカテキサスから出稼ぎにきたカウボーイ、スタン・ハンセンはかなりクレバーで賢い男だ。
自身で作り上げた技ウエスタン・ラリアットは誰がどこから見ても派手でわかりやすくインパクトのある技である。
その後リキ・ラリアット、ヒットマン・ラリアットとその他大勢のいろんなレスラーがラリアットを使用したが開発者であるハンセンは容認している。
その度量の大きさ・・・・これも大きな男なのである。
もっともその他レスラーがラリアットを使えば使う程自身の元祖ウエスタン・ラリアットの威力の説得力に繋がると計算したのかも知れない・・・
盟友ブルーザー・ブロディが興行主に対してトラブルばかり起こすのに対してハンセンは実に上手く立ち回る。
プロモーターにしてみれば契約しやすく従順で会場を沸かせるレスラー・・・これはとても使いやすいだろう。
とにかくやはりメリカテキサスから出稼ぎにきたカウボーイ、スタン・ハンセンはかなりクレバーで賢い男なのだ。



by glass-jaw-hopper | 2012-02-20 00:55 |

ガラスの顎のリスクでジャンプし続けるバッタ
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