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その男Glass-Jaw-Hopperグラス・ジョー・ホッパー

おぼろげな記憶

忘れない記憶の風景・・・・・・・・

俺は二歳・・・・・・・

妹が生まれるために母方の祖父祖母の家にいた・・・・・・

俺に優しい祖父と祖母・・・・・俺も好きだった・・・・・



蒸し暑い日の昼過ぎ祖母と買い物に出掛けた・・・・・・


空は湿気を含み白っぽく、青い新緑の緑の草の生い茂る野原の中の一本道・・・・・

白っぽいワンピースに日傘の祖母の周りをちょろちょろしながら俺は麦藁帽子を被って、道端にいきなり出てくる毛虫に驚いたり、祖母にしがみ付いたりしながら歩いていた・・・・・・


不思議な風景・・・・・・

初夏の草の香りが充満する草むらの一本道・・・・・・・・

道端の古びた木製の電柱に備え付けられた小さな半鐘・・・・・・
おぼろげな記憶_c0083518_22362375.jpg

十何年後・・・・・・祖父は他界し、まだ元気だった祖母にその風景の道がどこだったが尋ねたが、祖母は覚えていないのか曖昧だった・・・・・・・

俺は祖母の家の周りを探し回ったけど、どこにもそんな場所はなかった・・・・・・・

祖母にとってはいつも風景で、そのあたりの開発とともに変わっていくのを普通に見て過ごしたのだろうが、俺にとっては不思議な風景として記憶に留まっていたのだ・・・・・・

そんな祖母も俺が結婚した十数年前に亡くなった・・・・・・・・
葬式の後の焼き場で眩しいのを避ける為、下手な敬礼みたいに手をおでこにかざして俺を呼ぶ姿の祖母の姿が陽炎のように浮かんで不意に涙がこぼれた・・・・・・


きっと祖母はあんな白い風景みたいな天国で買い物籠を下げ、日傘を差して歩いているに違いない・・・・・・・・
おぼろげな記憶_c0083518_22454696.jpg




by glass-jaw-hopper | 2008-05-30 00:50 |

ガラスの顎のリスクでジャンプし続けるバッタ
by glass-jaw-hopper

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