その男Glass-Jaw-Hopperグラス・ジョー・ホッパー

究極のカレー

究極のカレーを作った。

自分が作ったカレーってのは実に愛おしいモノである。
美味しい美味しいと子供達が食べてくれると自分が褒められた如く嬉しい。
おかわりなんかして食べているのを見ると俺もまだまだやっていけるなんて思うのだ。
さすがに余って次の日も飽きられて鍋底に残っているカレーを捨てろと言われても自分でこそぎ取って食べるぐらい愛しい。
まるで年を取り「あの人は今」状態のかつて自分が育てたアイドルに惚れ切ってまだ影のようにピッタリ公私共に付いて励ましているマネージャーのようだ。

我が家には「ママカレー」と「パパカレー」があった。
そうママが作ったカレーと、パパが作ったカレーである。
以前は互角の評価を得て戦っていた両カレー
子供が小さいうちは基本甘口カレーだったが末娘が甘口を卒業した後は辛口解禁となり過酷なカレー戦争へ突入していった。

ところがいつの間にか完全にママカレーの方が子供等の支持を得て軍配が上がりパパカレーは急速に出番を失っていったいったのだ。
まるでVHSビデオに負け市場から駆逐されていったベータビデオの様だった。
一緒にヒット曲作ってデュオで活動して歌っていたはずなのにガーファンクルばかりになっちゃったサイモン&ガーファンクルみたいである。
何が違うのだ?どこが違うのだ?
俺は妻が作るカレーを徹底的に研究し調理中の妻の様子をスパイしたがまったくわからない。
材料・予算・制作時間はまったく同じなのに何かが違うのだ。
愛情だって負けてないはず・・・・・

昔から妻は俺のカレーの作り方に批判的だった。
「焦がさぬように」「ジャガイモを溶かさぬように」といつも言われた。
俺は細心の注意をしてそれを守った。
カレー作りは煮物にあらず
煮込んではいけない。
放って置いてはいけない。

俺は始終鍋の横に立ち片時も場から離れずカレーを作った。
そうなのだちょっとでも焦げ付くとカレーが焦げた臭いと味になり不味くなるしジャガイモはちょっと油断すると弱いラグビーチームのスクラムのように総崩れして原型を失ってしまう。
カレー作りは細心の注意が必要だった。
そして出来たのが「パパカレー」である。

しかしその「パパカレー」もかつての支持は得られない。
かつて繁栄の限りを尽くし世界の海を席巻した大英帝国のように今や過去の栄光なのである。


新日本プロレスの中で行き場居場所を失った前田日明、佐山聡はU.W.F.を作ったではないか。
ジュラシックパークのカオス理論の専門家イアン・マルカム博士も進化は新しい道を模索し始めると言っていた。

俺も新しいパパカレーを作ろう・・・
本来のタブーを全て盛り込み新しいカレーを作るのだ。


そして完成したカレーだ。

新しいパパカレーを見て子供達は戸惑った。
具が無いよ〜と

こんなカレーは初めてであろう。
しかしカレーとは本来こうあるべきなのだ。

ポーク、タマネギ、にんじん、しめじ、そしてジャガイモ・・・・・全て煮込んで形が無くなるぐらい溶け切っているのだ。
どうだ〜酸いも甘いも全て飲み込んだこの濃厚なカレーの深い赤茶けた色味は。
そして複雑に絡みながらもお互いの旨み要素を引き出し合ったこの濃厚な味は。


え?
福神漬け?
ラッキョ?


何を言っている?君らが今食べているじゃないか・・・

そう福神漬けもラッキョもあのどんなに煮込んでも自己主張を崩さない硬派なモヤシ、豆すら完全に溶けているのだ。

これこそ本当の熟カレーだ。
人生経験全て経験しどんな客の話も相手が出来て的確なアドバイスも出来るバーやスナックのママのようなカレーである。
いつもの中途半端なチーママとは違うのだ。

やや堅めに炊いて芯のあるご飯と皿に盛られた様はまるで波打ち際の砂浜と紺碧の海のように美しい。
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Girls On The Beach/浜辺の乙女 by The Beach Boys (1964)

フフフ・・・さぁお食べお食べ〜おかわりもなんぼでもあるよ〜

これぞ究極のパパカレーだ。






その日以来パパカレーが食卓に上がる事は無くなったのだった。


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定番レトルトカレーの雄カレーマルシェだ。
このカレーマルシェが嫌いと言う人と出会った事が無い。
本格欧風カレーと名打った辺りが成功に鍵だ。
大体カレーは誰が何を言おうとインドが本場であるのは揺るがない。
英国カレーなんぞどんなに威張ってもインドの暖簾分けに過ぎないのだ。
何故あれだけ美味いカレーをインドからイギリスに持ち帰ると不味く出来るのか不思議だ。
フィシュアンドチップスをあれだけ美味く作れるのに何故イギリス人は他の料理が出来ないんだろか?
もしカレーマルシェが本格英国カレーとして出たら外野からヤンヤ言われていたろう。
そう、マルシェは本格欧風カレーなのだ。
どんな味でもこれが欧風なんですと言われれば、おおそうか〜と納得するしかないのだ。
新しいジャンルの欧風カレーに定義は無いのだ。
CMもナスターシャキンスキーみたいな東欧女がニッコリ食べて欧州テイストてんこ盛りの満載であった。
具もビーフにマッシュルームとソツがない。
文句が言えないのだ。
味もどこもトンがって無い、全て丸く収まってる。
それをまろやかとしてるのだ。
板橋辺りの工場でカレー粉混ぜて作っていても食べると何故か南欧ブロバンスの風を感じるのだ。
カレーマルシェ、恐るべしイメージ戦略の申し子。






日本のチョコレートとオートバイは世界一だ。
チョコレートは海外ミュージシャンも大量に買って帰る。
テキサス親父も日本のチョコレートに目が無い。
世界のサーキットではほぼ日本のバイクが走っている。
アジア各国ではスーパーカブが走り回っている。
そしてもう一つの世界一はカレーである。
単身赴任の時よく支店のそばの松屋で飯を食っていた。
当時外資に一時なっていた自動車メーカーの本社が近いのでエンジニアか技術スタッフらしきインド人の人がよく嬉しそうにに松屋カレーを食べていた。
インド人が松屋カレー食ってやがる〜と眺めると何か文句あっかとギロッと迫力ある目で睨まれた。
睨んでいるつもりは無いかも知れないがクッキリ顔のインド人に見られるとたじろいでしまった。
いつもインド人の人が来てるのでよほど気に入ったんだろう。
でも何でこの日本のカレーが世界に出て行かないのか?
本場インドのカレーには敬意を表しているが日本のカレーも中々の物だ。
インド人らが食しているカレーを見るとある事に気付いた。
福神漬けである。
インド人の中にはメニュー写真を見て福神漬けを試している人もいたがやはり日本の漬け物は合わないようで残している人が多かった。
福神漬けの汁が滲みたエリアのライスごと残っていた。
そう、この福神漬けがネックなのだ。
日本のカレーはいけるが福神漬けが足を引っ張った。
アマのバンドにメジャープロデビューの話が来たがレコード会社はあの使えないドラムのヤツは切れと言ってきたのだ。
でも日本のカレーはいいヤツだった。
明治時代からの旧友盟友であり共に戦ってきた戦友の福神漬けを切るぐらいならメジャープロデビューなんてしないと突っぱねたのだ。
福神漬け君を切るぐらいなら俺はメジャーデビューなんかしなくていい。
俺は日本に留まり福神漬け君と共に日本のファンのために頑張るからヨロシク!と爽やかに言い放ったのである。
何ていいヤツなんだ。
こんなナイスガイの日本のカレーをこれからも皆で愛していこう。
インド人もびっくりのカレーなのだ。
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by glass-jaw-hopper | 2016-03-18 23:02 | | Trackback | Comments(0)
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