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その男Glass-Jaw-Hopperグラス・ジョー・ホッパー

悔しいパスタ

大学時代の夏休みで行った軽井沢の住み込みのバイトはリゾートホテルと遊園地の清掃ベッドメイクの仕事だった。
リゾートホテルの委託リネン業者が俺のバイト先であった。
東京名古屋からやって来た大勢の住み込みのバイト生がプレハブの一軒屋に合宿みたいに寝泊まりして楽しい生活を送っていた。
当時俺のチームは遊園地の清掃担当をしていた。
炎天下の下広大な遊園地を少人数のチームで別れたグループで清掃するのは大変な仕事であった。
だが当時何故か妙なテンションとモチベーションで俺たちチームは仕事に励んだ。
最初嫌だったゴミの仕分けもハイテンションでこなした。
そのうち夏場の暑さで腐った物やウジがたかった食べ残しさえ平気で仕分けし清掃をした。
人間どんな過酷な環境にも順応するらしい。
やらなくて良いエリアの掃除さえ勝手にしていた。
何だか自分らが担当している遊園地が奇麗になるのが嬉しかったのだ。
そんな妙にモチベーションが高くせっせと迅速に仕事をこなしている俺たちチームを見ていたホテル側の支配人が陰から視察していたらしく大いに感激して俺たちの雇い主のリネン業者社長に感謝状と来年からの専属契約の申し出をした。
これは下請け業者にとってかなり美味しい話である。
複数入っている業者を押し退けて独占出来るのだ。
社長大喜び〜
ご褒美にって事で好きな物食べに連れて行ってくれるって話になった。
ボーナスである。
それほど俺たちは功労者だったらしい。
好きな物をたらふく食える・・・ビンボー学生の俺たちは大いに湧いた。

しかしチームリーダーの大橋君が痛かった・・・・・

大橋君はまったく食に欲が無いヤツであり、皆で入った食堂でカツ丼頼んでも面倒臭いからってカツ残してご飯だけ食べるようなヤツだったのだ。
そんな大橋君が社長に言って皆を引っ張って行ったのは何かショボいレストラン・・・・
そこで皆は出された中途半端なスパゲティをすすっていた。
悔しいパスタ_c0083518_19573784.jpg

大橋君は社長にじゃあパスタでも食べさせてくださいなんて言ったらしい・・・・・・
隙あらばサボって全然働かないチームの方の連中は若手の副社長とふぐとひれ酒の店に連れて行ってもらい大いに満喫して帰って来ていた。

軽井沢には寿司だって高くて普段食えないような名店がたくさんある。
社長は行きつけだったそっちの店に俺たちを連れて行くつもりだったらしいけど生魚はあまり好きじゃない大橋君が勝手に却下していたのだ。
パスタならパスタでもっとちゃんとした居を構えたイタリアンの店もあるけど大橋君はさっさと帰れる宿泊所に一番近いテキトーな店をリクエストしたのだ。
食に欲が無くて酒が飲めない大橋君はそんなパスタも面倒臭そうにテキトーに食ってほとんど残した・・・・・
功労者である俺たち・・・
何でパスタ???

一人暮らしのアパートでいつも食っている「まぜりゃんせスパゲティ」とそんなに変わらんぞ!

ふぐとひれ酒の店でいいじゃん!

大橋!いつもみたいにご飯だけ食ってりゃいいじゃん!カウンターの隅っこでよぉ!

寿司屋でいいじゃん!

大橋!玉子やかんぴょう巻き食ってりゃいいじゃん!カウンターの隅っこでよぉ!



功労者である俺たち・・・
何でパスタ???



by glass-jaw-hopper | 2013-07-02 23:56 |

ガラスの顎のリスクでジャンプし続けるバッタ
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