調布の自販機/枯渇したオアシス
学生時代から結婚する前後まで調布に住んでいた・・・・・
大都会東京の郊外都市とはいえ、まだその頃は実に牧歌的な町であった。
中心部にさえまだ畑がたくさんあってのどかなものであったのだ。
実際アパートの部屋には時々換気扇の隙間から畑上空をテリトリーとするコウモリが侵入し俺と死闘を繰り広げたものだ。
大抵はキィキィ何か聞こえて磨りガラス越しに台所で黒い影がパタパタと飛んでいるのが見える。
それが侵入したコウモリだ・・・
最初はパニクってこっちもペットボトルなんか振り回して応戦していたが、奴らは超音波なんぞを発信してきれいにかわすので勝ち目は無かった。
どんなにブンブンボトルで叩き落とそうと振り回しても大リーグボール3号のように寸でで全部空振りになった。
フーフー疲れて諦めてバットマンよろしく同居するかと諦めた頃またどっかに隙間潜って消えてしまうのが常だったのだ。
住んでもらうのは構わないけど、聞けばダニとかがいっぱい寄生しているので落ちてくるらしい。
それはかなわんので、次の侵入時はこっちは最新兵器ベレッタのガスガンを購入していて一発でケリをつけた。
気絶しているコウモリを窓辺に置いておくといつの間にか醒めて、またどこかの空に飛んで帰っていったっけ・・・・・
まるで獣と戦う開拓民の生活だった。
常備しているハンドガンは伊達じゃない。
随分射撃の腕は上がったよこの時期・・・・・
そんな調布ライフであった。
俺はつげ義春作品に憧れて引っ越して来て以来その地が気に入り調布市内を転々と引っ越しした。
世田谷との境界線を越えるといきなり田園風景が広がる調布・・・
休日はバイク、自転車、徒歩で散策して過ごしていた。
天気の良い日は多摩川まで自転車に釣り道具乗せて行って河原で本読みながら鯉釣りした。
探偵物語で優作演じる工藤ちゃんがベスパで走り回ったシーンで使った調布撮影所の近くの高架下を工藤ちゃん気分でバイクで走ったり、時にはブラブラと近所を宛もなく散策した。
誠にのどかな生活を楽しんでいたのだ。
そんな近所の畑の脇に随分ボロい自販機がポツンと設置してあった。
何でそんな畑の中に自販機があるのか・・・
ビニールハウス脇なので畑作業の人目当てに設置されたのかも知れない。
何もそんな怪しげな自販機で買う事もないのだが、丁度散策中に喉が渇くポイントでついつい硬貨を入れて飲み物を買おうとしてしまう。
そして案の定飲み物が出てこない・・・金は勿論返って来ない。
もうぅ〜金返せぇ〜と怒って蹴ってみたりしても無反応・・・・
当時はよく薬屋脇のコンドームなんかの怪しげな小さい自販機でこっそり買おうとして出てこないってのがよくあったが、モノがモノだけに何か恥ずかしくて言えなくて金取られて泣き寝入りしたがジュースならば大いに声を大にしてクレームが言える。
当時はまだ携帯電話なんか無いので「苦情はここまで」って書いてあるステッカーの電話番号を覚え暗唱し家から電話するとその自販機の管理会社のOLらしき人が出た。
これこれこう言う事情で商品が出てこないは金は返ってこないはで、どう言う事かねチミィ〜って言うと住所を教えてくれれば金を郵送すると言う。
よしわかったてんで住所を教えたのはいいが待てど暮らせど返ってこない。
そこでまたその会社に電話してこれこれこう言う事情金が返ってこないけど、どう言う事かねチミィ〜ってちょっと言葉を強く言うと、完全に忘れていたらしく、同じ人なのに俺のクレームも知らないと言う・・・・・
そりゃないべ〜と怒ると「そんな事は知りません」と泣き出す始末・・・・・
泣くなよぉ〜・・・・仕事だろ〜・・・
俺が無茶言っている悪いヤツみたいじゃん・・・
結局泣く子と地頭には勝たれぬで諦めたんだけど何か納得出来ないよなぁ〜
そしてまたその後、俺はその自販機で飲み物を買おうとして金を取られたのだった・・・・・
大都会東京の郊外都市とはいえ、まだその頃は実に牧歌的な町であった。
中心部にさえまだ畑がたくさんあってのどかなものであったのだ。
実際アパートの部屋には時々換気扇の隙間から畑上空をテリトリーとするコウモリが侵入し俺と死闘を繰り広げたものだ。
大抵はキィキィ何か聞こえて磨りガラス越しに台所で黒い影がパタパタと飛んでいるのが見える。
それが侵入したコウモリだ・・・
最初はパニクってこっちもペットボトルなんか振り回して応戦していたが、奴らは超音波なんぞを発信してきれいにかわすので勝ち目は無かった。
どんなにブンブンボトルで叩き落とそうと振り回しても大リーグボール3号のように寸でで全部空振りになった。
フーフー疲れて諦めてバットマンよろしく同居するかと諦めた頃またどっかに隙間潜って消えてしまうのが常だったのだ。
住んでもらうのは構わないけど、聞けばダニとかがいっぱい寄生しているので落ちてくるらしい。
それはかなわんので、次の侵入時はこっちは最新兵器ベレッタのガスガンを購入していて一発でケリをつけた。
気絶しているコウモリを窓辺に置いておくといつの間にか醒めて、またどこかの空に飛んで帰っていったっけ・・・・・
まるで獣と戦う開拓民の生活だった。
常備しているハンドガンは伊達じゃない。
随分射撃の腕は上がったよこの時期・・・・・
そんな調布ライフであった。
俺はつげ義春作品に憧れて引っ越して来て以来その地が気に入り調布市内を転々と引っ越しした。
世田谷との境界線を越えるといきなり田園風景が広がる調布・・・
休日はバイク、自転車、徒歩で散策して過ごしていた。
天気の良い日は多摩川まで自転車に釣り道具乗せて行って河原で本読みながら鯉釣りした。
探偵物語で優作演じる工藤ちゃんがベスパで走り回ったシーンで使った調布撮影所の近くの高架下を工藤ちゃん気分でバイクで走ったり、時にはブラブラと近所を宛もなく散策した。
誠にのどかな生活を楽しんでいたのだ。
そんな近所の畑の脇に随分ボロい自販機がポツンと設置してあった。
何でそんな畑の中に自販機があるのか・・・
ビニールハウス脇なので畑作業の人目当てに設置されたのかも知れない。
何もそんな怪しげな自販機で買う事もないのだが、丁度散策中に喉が渇くポイントでついつい硬貨を入れて飲み物を買おうとしてしまう。
そして案の定飲み物が出てこない・・・金は勿論返って来ない。
もうぅ〜金返せぇ〜と怒って蹴ってみたりしても無反応・・・・
当時はよく薬屋脇のコンドームなんかの怪しげな小さい自販機でこっそり買おうとして出てこないってのがよくあったが、モノがモノだけに何か恥ずかしくて言えなくて金取られて泣き寝入りしたがジュースならば大いに声を大にしてクレームが言える。
当時はまだ携帯電話なんか無いので「苦情はここまで」って書いてあるステッカーの電話番号を覚え暗唱し家から電話するとその自販機の管理会社のOLらしき人が出た。
これこれこう言う事情で商品が出てこないは金は返ってこないはで、どう言う事かねチミィ〜って言うと住所を教えてくれれば金を郵送すると言う。
よしわかったてんで住所を教えたのはいいが待てど暮らせど返ってこない。
そこでまたその会社に電話してこれこれこう言う事情金が返ってこないけど、どう言う事かねチミィ〜ってちょっと言葉を強く言うと、完全に忘れていたらしく、同じ人なのに俺のクレームも知らないと言う・・・・・
そりゃないべ〜と怒ると「そんな事は知りません」と泣き出す始末・・・・・
泣くなよぉ〜・・・・仕事だろ〜・・・
俺が無茶言っている悪いヤツみたいじゃん・・・
結局泣く子と地頭には勝たれぬで諦めたんだけど何か納得出来ないよなぁ〜
そしてまたその後、俺はその自販機で飲み物を買おうとして金を取られたのだった・・・・・
by glass-jaw-hopper
| 2010-03-06 13:50
| 怒
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